2015-12-16

「完璧な営業トークをしなければ」という呪縛から自分を救う方法

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完璧な営業トークは、疲れます。
話す方も聞く方も疲れます。

「何という淀みのないしゃべりなんだ」と感動する
クライアント(顧客)はほとんどいません。

「完璧に商品の説明ができたぞ!自分にご褒美だ」
と自己心酔している場合ではありません。

そもそも、「営業トーク」という響きが、すでに
「相手に何かを売ってやろう」という思惑を
はらんでいるように聞こえます。

「営業」という表現は、あくまで売る側の便宜上の呼称です。
名刺に書く用の肩書きです。

人は、売りつけられるという受動的行為を嫌います。
契約を締結する時・モノを買う時は、あくまで「自分で選んだ」
という決定の実感がほしいのです。

もしも「完璧な営業トーク」を目指しているなら、
基本的にその必要はありません。
台本も用意する必要はありません。

「1字1句間違えないようにしゃべらなければ」という
プレッシャーは、自分と相手を苦しめるだけです。

 

1.天然キャラというスパイスを1滴垂らす

完璧な営業トークを展開しようとする人は、使命感が強すぎる人です。
「商品の全てをしっかり伝えなければ」と頑張ってしまうのです。

結果、「えーっと、まずは商品が開発された背景から入って、
開発者の名前は誰々で、あ、開発リーダーは誰で、専務と同期で・・・」
みたいなカッチカチの説明になってしまいます。

そこまで極端に台本台本していなくとも、規格化されたトークは
頭に入りにくいです。
丸みがないと、入り込む柔軟性は生まれません。
その場で聞きながら、すぐさま忘れ去られます。

そして、完璧な営業トークを展開しようとする人は、
クライアントに受け入れられるまでに時間がかかります。
平たく言うと、とっつきにくい人という印象を与えがちになります。

完璧な営業トークの呪縛に苦しんでいるなら、打合せや商談中に
天然キャラというスパイスを1滴垂らしてみましょう。
不意に1度だけ天然キャラを出してみるということです。

ほんの少しだけ「抜けている部分」をチラ見せする
イメージでしょうか。

ちょっとほころんだ部分がある人の方が、親しみやすいです。
かわいらしいと思ってもらいやすいです。

たとえば、誰もが読める漢字の読み方をあえて間違える、
計算する時にあえて両手の指を折って数字を数える、
自分の会社の社長の名前をあえて忘れてみる、
など、本当にほんのちょっとしたことで大丈夫です。

コツは、「あえて」です。

 

2.天然度合いのさじ加減をコントロールする

天然キャラを一瞬披露するといっても、どんな内容でもいいという
わけではありません。

相手の失礼になるような天然言動とあまりに強烈な間違いは避ける
というのがポイントです。
自分だけに恥がふりかかる、無害なことで天然ぶりを見せる
ということです。

たとえば、クライアントの社長名を間違えたり、担当者の人格を
傷つけるような言い間違いは、一級の失礼です。

「おいおい、この人大丈夫か」と心配されるほどの重度の間違いは
かえって状況をややこしくします。

そういう意味では、さじ加減は必要です。

天然の言動に気づいた相手は、にこやかに訂正してくれることが
ほとんどです。

「いやいや、読み方は○○ですよ」とか「数える時は両手の指を
使うんですね(子どもみたい)」といった感じです。
仮に口に出さなかったとしても、心の中では十中八九ツッこんでいます。

何がしかの指摘が出れば、「あ、勘違いしてました」とか
「そうなんです、指を使って数えるのがクセでして」と返すチャンスです。
いずれも最後に「エヘヘ」とつくイメージです。

天然にまつわるコミュニケーションが生まれます。

この「エヘヘ」の空気がとても重要です。

とっつきにくい人という印象が、一気に氷解します。

普段完璧主義を目指している人にとって、あえて自分から
天然キャラを出すのはけっこう勇気がいると思います。

実際に試してみるとわかりますが、天然キャラを出したあとは、
気分がスッと楽になります。
「何かを間違えても大丈夫」という気持ちが芽生えるからです。

 

3.隙をつくるのは相手思いの行為でもある

あえて天然キャラを出すということは、こちらから隙をつくる
ということです。

完璧主義の空気が伝わってしまうと、相手はどうしても
息苦しく感じてしまいます。

息苦しく感じているところに隙がつくられれば、息を
しやすくなります。
空気の通り穴を開けてあげるのです。

私も、かつて「この企画の内容を全部完璧に伝えなくては!」と
鼻息荒く提案に臨んだことがあります。
自分に無用なプレッシャーをかけていました。
顔もこわばっていたことでしょう。

クライアントは真面目な表情で聞いてくれますが、
本心では退屈そうでした。

そんな時、たまたま簡単な言い間違いがきっかけで、
軽い笑いが起き、空気がフワッとやわらかくなりました。

距離が近づいたという肌感覚がありました。
私の気分は急に楽になりました。

それ以来、あえて場に隙を提供することは善である、
という意識になっています。

意識が変わると、説明の仕方も変化します。

「今日はこんな切り口で見込み客を想定してみました」という
シンプルな話し出しから入って、クライアントが得られる
未来のワクワクイメージを短く補足すると、にこやかな空気で
進められました。
そして1滴の天然ぶりも、さりげなく混ぜます。

ガチッと並べられた台本ストーリーより、ポロッと出た
短い要約ワードの方が、刺さります。
長めに心に残っています。

こちらの肩に力が入っていると、相手も固まってしまいます。
身構えてしまいます。

天然キャラを出すことによる隙づくりは、心と脳をやわらかくして
聞く体勢に導く、相手思いの行為でもあるのです。

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