2015-11-17

フィルターとして言葉をろ過して、顧客のモヤモヤをスッキリさせる

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営業マンは、お客様言葉への変換装置です。

専門的な話をクライアント(顧客)に説明する時、
営業マンよりもその道の専門家が直接話す方が説得力があります。
その道で何年も探求している人にはもちろんかないません。

だから、プレゼンや会議の場に専門家を連れていくことはよくあります。
専門家にとっても、自分の思いを直接伝えられる絶好の機会です。
専門家は、自社内の内勤スタッフの場合もあれば、外部の人の場合もあります。

 

1.営業マンはお飾りか

それでは、営業マンはただのお飾りでしょうか。
クライアントとアポ調整するための、ただのスケジューラーでしょうか。

もちろん違います。

専門性の高いプレゼンや会議での営業マンの重要な役割は、
専門家の専門的な言い方を、クライアントが理解しやすい平易な言葉で
言い換えて補足することです。
自分というフィルターを通して、わかりやすい言葉にろ過させる役割です。
時には補足を乗り越えて、補強もします。

 

2.わかったフリをするクライアントが現れた時は出番

中には、わかったフリをしてしまうクライアントもいます。

※わからないことを素直に「わからない」と言う大切さについては
 こちらの記事でも述べていますので、よろしければご参照ください。
 ⇒素直になれないビジネスパーソンへの教訓 吉田羊のエネオスCM

あるいは、クライアント自身も何をどう質問していいのか
わからない場合もあります。

こういう時のために、営業マンがいます。
特にクライアントが目の前にいるような場合は、営業マンの立ち位置は
”クライアント寄り”になっている必要があります。

時には自社の同僚から”クライアントを守る”という行動に
打って出ることもあります。
それがたとえポーズであってもです。

わかったフリをして強気に振る舞っていても、クライアントの頭の中は
ちんぷんかんぷんの状態です。
本当に理解できていない時ならなおさらです。
理解したい気持ちはあるのに、消化不良で頭の中がモヤモヤします。
カタカナの専門用語が連発されている時などは、特に顕著です。

そして自分からは言い出せずに、話はどんどん進んでいってしまいます。

 

3.”空気感”をつかむ→言い換える

営業マンとして、まずはその”空気感”をつかみます。
専門的な話をしているのは専門家ですので、その間営業マンは
ガラ空き状態です。
暇を持て余しています。
言い換えると、クライアントの状況をつぶさに観察できる状態です。
表情、ため息、せわしなく動く手、サインは色々なところから出ます。

フリースペースにいる時間を有効に使いましょう。
こちらも専門家ではないので、クライアントにとっては自分たちに近い立場のはずです。
少なくとも、「目線と耳線を合わせていますよ」という雰囲気が感じとれれば、
クライアントは安心します。
専門家ではないことが、逆に悩みを解決できるチャンスです。

理解できていない空気が漂っていたら、言葉を変換して補足します。
最初から最後までいちから説明し直すという意味ではありません。

伝わっていないだろうなというポイントを、わかりやすい表現に
置き換えてもう一度言い加える、という感じです。

クライアントの視点から見るとこう、一般の人の視点から見るとこう、
という意識で言葉を選ぶことがコツです。
「今の専門用語を中学生が聞いてもわかるような表現に置き換えられないか」
という意識です。

うまく補足できれば、30分かかって専門家が説明した内容よりも、
ひと言で言い換えた営業マンの言葉の方が残ります。
補足を乗り越えて補強になる瞬間です。
営業マンが自身の存在意義を確かめられる瞬間とも言えます。

 

4.「要するに」と「要は」は封印

ただし、1点だけ注意することがあります。
「要するに」と「要は」を封印することです。

言い換えて補足する時は、つい「要するに」とか「要は」と前置きしたくなります。
これは同僚のテンションを一気に削ぐ、悪魔の言葉です。

「要するに」や「要は」とつけてしまうと、「俺は全部わかっているぞ。どうだ、すごいだろ」
という空気になってしまいます。
専門家の専門的な説明は何だったのかという妙な猜疑心が生まれてしまいます。

言い換える時は、説明側の”場”を支配したような錯覚にとらわれると危険です。
自分が一番エライわけではありません。

あくまで専門家の補足者という立場です。
わかりやすく素人目線で言い換えた結果が、たまたま説明側全体の表現レベルを上げた
というスタンスを保つことです。
涼しい顔をしておけばいいのです。

営業マンの立ち位置は”クライアント寄り”ですが、同行してくれた専門家への配慮を
忘れていいということではありません。

「要するに」や「要は」を言いたい気持ちをグッとこらえて、いきなり言い換え表現から
話し始めましょう。
それでも充分に伝わります。

 

5.営業マン自身が理解しておくことが重要

ちなみに、クライアントの心に残るわかりやすい言い換えをするためには、
専門家が説明する内容をそもそも先に理解しておく必要があります。
説明の場では素人然として聞きながら、裏ではちゃんと理解しているという構図です。

ちゃんと理解していなければ、わかりやすい言い換えはできません。
的外れな方向性の言い換えになってしまいます。
語彙力の問題は、その次の段階です。

営業マンが理解していなければ、同僚の専門家に敬意を払っている
ことにはなりません。
そしてやがては、クライアントの理解促進につながっていくのです。

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