どこの世界にも、気難しい人というのはいます。
 特にエラいさんになればなるほど、気難しい人の出現率は高まります。
エラいさんとは、会社でいうと役職が上の人という意味です。
 部長の場合もあれば、取締役の場合もあります。
概して、気難しい人というのは優秀であることが多いです。
せっかくなので、気難しくて優秀な人にかわいがられましょう。
1.気難しい人に対する周りの反応
最初から気が合う場合を除いて、気難しい人が周りから受ける対応は主に2通りです。
①避けられがち
 ②媚びられがち
避けられるか、コミュニケーションをとりにきても媚びられるか、どちらかの
パターンがほとんどです。
「避けるよりはマシ」と考えると、媚びる方に走ったりします。
 言うことに全て従って、気に入られる言動を繰り返すパターンです。
優秀なのに気難しいゆえ、なかなか本心からのコミュニケーションがとりづらい
というのが正直なところでしょう。
 特に下の立場の人からすれば”とっつきにくい”存在です。
もし気難しい人が本心からのコミュニケーションを望んでいる場合は、周りの対応との
間にジレンマが生じてしまいます。
 時には孤立感を感じている可能性もあります。
2.気難しくて優秀なエライさんにかわいがられるには
気難しくて優秀なエライさんにかわいがられるには、
何があってもこちらから声に出してあいさつする。
これだけです。
ちょっと拍子抜けしたかもしれません。
 が、普段接触する機会がまずないような相手に効力を発揮します。
たとえば、現場担当者とクライアント取締役、平社員と自社の役員、
といった関係です。
相手が役員であれば、たとえ自社の人でも席に出向いてあいさつできるとは
限りません。
 廊下や自社の敷地内など、席以外ですれ違うタイミングがチャンスです。
条件は、
①こちらから先に発見して声を出すこと
 ②こちらが誰かと話している途中でも、あいさつ優先にすること
です。
気難しい人が自分から声に出してあいさつしてくれることは稀です。
 たとえこちらが向こうの視界に入っていたとしても、だいたい素通りです。
 変なプライドもあったりします。
そこで、こちらから声を発します。
 相手がクライアントなら「おはようございます」や「こんちは」、
 自社の役員なら「おはようございます」や「おつかれさまです」とハキハキ声に出して
 頭も下げるイメージです。
多少距離が離れていても大丈夫です。
 何なら無視されても問題ありません。
 (何せ相手は気難しい人なので、無視される可能性もそこそこ高いです)
②は、気難しい人にかわいがられる>目の前の人と話す、という優先順位の時限定です。
 気難しい人にかわいがられることを優先するため、目の前の人との話が一瞬中断される
 格好になります。
ある意味「その瞬間で最も大切な人」を犠牲にしてしまうので、その覚悟がある場合に
 限ります。
①②ともに、気難しい人が誰かと話しているタイミングでは、空気を読む必要はあります。
3.気難しい人も、必ず見ている
私が1社目の広告代理店で担当していたクライアントに、とても気難しい取締役が
 いました。
 仕事に厳しく、人前で平気で怒鳴るタイプの人です。
 クライアントの中でも、恐れられている存在でした。
でも、私の中では「この人は悪い人ではない」という直感めいたものが働いていました。
私はその取締役を見かけるたびに、毎回「こんちは!」と声に出して頭を下げていました。
 私が別の担当者と話している最中でも、取締役が通りかかったら(申し訳ないと思いながら)
話を中断してあいさつ優先にしていました。
声が届かなくても、無視されても、ひたすらあいさつをし続けました。
 「何かこいつたまに見るけど、いつもあいさつしてくるなあ」と思われていたのかも
 しれません。
いつしか、顔を覚えてくれるようになりました。
 いつの間にか、会社名を覚えてくれるようになりました。
気づいたら、取締役の方からにこやかにあいさつしてくれるようになりました。
 あいさつに加えて、「頑張れよ」と言ってもらえるようになりました。
私の担当する案件を気にしてくれるようになりました。
コンペ(他社との競合)になった時に、陰で私の会社を推薦してくれるようになりました。
 最終的に、私1人で取締役室に入れるようになりました。
気難しくて優秀なエラいさんも人間です。
 ただの鬼ではありません。
逆に、実は人間味にあふれたとても温かい人だったりします。
 そして、自分に対してなされたあいさつを必ず見ています。
そういう人は「人間らしい部分」を重視する傾向が強いです。
 「人間らしい部分」とは、シンプルな普段の行いの中にひそんでいるものなのです。
難しいことは全くないのです。
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