2015-10-24

感謝されて仕事も増える!『下町ロケット』神谷弁護士の本気

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※本エントリーには、ドラマの内容にふれる記述があります。ご注意ください。

神谷弁護士の仕事を受注する姿勢には、学ぶべき点が凝縮されすぎています

神谷弁護士とは、TBS系列のドラマ『下町ロケット』に登場する知的財産関係の
エキスパート弁護士です。
恵俊彰さんが演じていらっしゃいます。
原作は池井戸潤さんの同名小説で、直木賞を受賞しています。
神谷弁護士には、実在のモデルがいらっしゃるそうです。

 

そんな神谷弁護士、第1話でさっそく登場します。
登場シーンとやり取りに、理想のエッセンスがこれでもかというほど詰まっています。

佃製作所(阿部寛さん演じる佃航平が社長)は、引き受けてくれる弁護士を
血眼になって探している状況です。
もう何人にも断られています。

佃製作所が弁護士事務所を訪れた理由は、依頼を引き受けてくれるかどうかの確認です。
かなりドキドキした状態です。
佃側にとっては、まずは引き受けてもらえること自体が、高い高い最初のハードルです。

 

神谷弁護士は最初の登場シーンで、「お待たせしました~、神谷です」と
ヘラヘラ笑いながら部屋に入ってきます。
何となく頼りなさそうな印象です。
正直、「おいおい、この人大丈夫か?」という不安感を、私は感じました。

そしてダンボールを抱えています。

神谷弁護士「すいません、送っていただいた資料、まだきちんと目を通せていなくて
佃社長「専門的な内容のものばかりですからね。1日2日じゃあ、なかなか・・・」

神谷弁護士のこの態度とセリフ、実は強烈な前フリになっています。

そして神谷弁護士、「いくつか、わからないことがあるんですが」と言いながら、
ダンボールに入っていた大量のファイルを並べ始めます。
ビッシリと、カラフルな付箋が貼り付けられています。
きちんと目を通していない人が、あんなに大量の付箋は貼れません。

 

「ここにある資料、全部目を通されたんですか?」という質問に対しては、
「いや、まだざっとです。裁判の話の前に、いくつか質問させていただこうと思いまして」
と答えます。
神谷弁護士は、依頼を引き受ける前提でグイグイ話を進めます。

佃社長の「え?引き受けていただけるんですか、うちの弁護?」という質問に対して、
神谷弁護士はとても不思議そうな表情で「ええ、もちろんそのつもりですが」と答えます。

このとても不思議そうな表情で、というのがポイントです。
神谷弁護士にとっては引き受けるつもりで臨んでいるので、
なんでそんな質問を?という思いでしょう。
議論がすでに次のステージからスタートしているのです。

「仕事を引き受けてやろかな~、どうしよっかな~、お金次第かな~」の駆け引きもなければ、
打算的な空気もありません。

これは依頼者に対して、とても大きな安心感を与えます。
「引き受けてもらえるかどうか」からスタートしている依頼者にとっては、なおさらです。
まだ何も解決していないのに、依頼を受けただけで大感謝されています。
ここで、仕事を発注する側と受注する側のパワーバランスは完全に逆転します。

もはや、冒頭の頼りなさそうな印象はどこにもありません。
むしろ、マイナススタートからの急激な印象上昇によって、
とてつもない落差のプラスギャップが生まれています。

 

本気の足跡を直接見せられると、依頼者は安心どころか感動すら覚えます
事前に大量の資料を読み込んでいること自体に加え、
この短時間であっさりこなした、というところが見逃せません。

熱意はスピードに表れます。
そして圧倒的な量の要素が加わると、さらに最強に近づきます。

佃社長がどれだけ感動したかが、フライング気味の固い握手と
力強いひと言に表れています。

「先生だけが頼りだ!」

 

自社の製品について少しでも正確に知ろうとする人が現れた時、
開発部隊の人は相当テンションが上がるはずです。
開発系や企画系の人は、自分の生み出した製品・商品を
ホメてもらうのと同じくらい、理解しようとしてくれる姿勢がうれしいものです。

本気で理解しようという姿勢だと、質問が必ず具体的になります
神谷弁護士に具体的な質問をされた佃社長と技術開発部長は、
ビックリしながらもかなりうれしそうです。
質問したことに対してお礼を言っているくらいです。

技術のすばらしさを理解しようとする姿勢を示しながら、
開発者にそのすばらしさを説明する機会を与えているのです。
開発が苦労したものであればあるほど、誰かに説明できることは
至上の喜びではないでしょうか。

実はもともと弁護を担当していた佃製作所の顧問弁護士がいました。
彼はあまりやる気がなく、製品について知ろうとする姿勢が見られません。
ここでも、前任者との対比という意味でのギャップが生まれています。

 

重要なのは、依頼者を先にビックリさせるということです。

佃側は、計3回ビックリしています。

①引き受けてくれたこと自体にビックリ
②依頼者の状況を知ろうとする努力にビックリ
③②をかなりの短時間でこなしたことにビックリ

そして極めつけは、
終始「いやいや、普通のことですが」というトーンです。
「依頼を受けてやる」といういやらしさは微塵もありません。

 

こうして、依頼者の色んな職種の人たのハートを鷲掴みにした神谷弁護士は、
仕事を受注する際の大事な心がけをいくつも教えてくれたのでした。

感動の背景には、感謝が散りばめられています。
「相手を感動させてやろう」という気概で臨むと、
半ば必然的に感謝もされるということです。
そして同じく半ば必然的な流れで、発注がついてきます。

 

それにしても、恵俊彰さんも平日は毎日『ひるおび!』に出演しながら、
相当お忙しいでしょうに。

もしかしたら恵さんご自身が、スピードと量を伴った熱意を
体現されているのかもしれませんね。

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