同じ話を何回もしてくる人がいます。
懲りることなく、本当に何回も何回もしてくる人もいます。
一般的に、人は聞くより話す方が好きです。
一度どこかでウケたとっておきのネタであれば、色んなところで
話したくなるものです。
そのうち、誰に話したか、同じ人に何回話したかを
忘れるようになってきます。
それでも何回も話すことを繰り返します。
一度以上聞いたことのある人のたいていの反応は、
「あ、それ前に聞きましたよ」です。
ここで、同じ話をした人のアクションは2通りに分かれます。
①「しまった、前に話してたか。申し訳なかったな」と反省して
違う話題に変える
②「あ、前に話してたっけ。でもまあいいや。おもしろい話だから」
と聞き手の意向を無視して同じ話を続ける
どちらのパターンにしても、聞き手が話の腰を折ったことで、
話し手は少し寂しく感じます。
たとえ前に聞いたことのある話であっても、どうせなら話し手に
好感を持たれる聞き方をしましょう。
1.初めて聞くフリをしてあげる
特に自信のあるネタであれば、話している最中の話し手の気分は
かなりいいはずです。
話すことが好きな人は、自分が話す側になることでスッキリします。
気分がいい時に「それ前に聞きましたよ」と言われてしまうと、
一気にテンションが下がります。
たとえ聞いたことのある話でも、「前に聞きましたよ」はガマンして、
初めて聞くフリをしてあげましょう。
何なら、目もキラキラと輝かせましょう。
「それ前に聞いたっちゅーねん」とキレている場合ではありません。
同じ話を気持ちよさそうにする人は、過去に話したことがあるかどうかに
自分では気づいていません。
一方、聞き手はわかっています。
つまり、聞く側が主導権を握るということです。
話し手が気分のいい状態をずーっと継続させてあげるのです。
それだけで、聞き手は何もしていないのに、話し手は好感を持ちます。
少なくとも「会話のしやすい人だ」「コミュニケーションのとりやすい人だ」
と感じるはずです。
実態は、話し手が9割くらいの割合でしゃべっているだけです。
しかも話し手がしゃべりたい内容です。
それだけ、相手に「話の機会を譲ること」の効力は大きいのです。
2.毎回食いつく箇所を変えてみる
「同じ話キターっ」と思ったら、初めて聞くフリをしながら、せっかくなので
聞き手としても有意義な時間を過ごしましょう。
たとえば、毎回食いつく箇所を変えてみます。
聞いたことのある話なので、オチはわかっています。
だいたい何分で1セットの話なのかも計算できます。
「普通はオチのあの部分で大きなリアクションになるが、今回は
もう少し前半のあの箇所で食いついてみよう」とか
「オチで前回より2倍くらいのボリュームで笑ってみよう」という感じで
聞き方にバリエーションをつけてみるのです。
広告代理店時代、同じ話を何度もする達人がいました。
記憶喪失ではないかと思うくらい、本当に何回も何回も同じ話をする人でした。
私もだんだん慣れてきて、かつ話の筋をほぼ100%理解しているので、
「よし、今日はここで大きく相づちをうって、ここで笑ってみよう」と
楽しみながら変化をつける余裕ができました。
”リアクションに対するリアクション”を勉強するとてもいい機会になりました。
「お、強弱のつけ方がパワーアップしたな」とか「前回よりオチで声落としたな」
とか、話し方の変化に対する細かい観察もできました。
もちろん話し手の方も、毎回嬉々としながら話してくれました。
でも余裕があるからといって、オチ部分を話し手より先に言うのはもちろん
控えましょう。
3.話し手のスタンスに合わせることが大切
話し手が同じ話をする時に自分では気づいて(覚えて)いないということは、
初めて話すつもりでしゃべっているということです。
初めて聞くフリをすることは、初めて話すつもりの話し手のスタンスに
合わせています。
逆に、途中で話し手が自ら気づくことがあります。
「あれ?そういえばこの話って前にしたっけ?」と尋ねられた場合は
「はい、実は前に聞いたことあります」と正直に答えましょう。
前に話したことがあるかどうかを自分から聞いてくるのは、
「同じ話をしているのであれば話題を変えないといけない」という
意思があることを意味します。
初めて聞くフリは、話し手が気づいていないからこそ意味があります。
「前に話したっけ?」と聞かれているのに「いえ、初めて聞きます」と答えると、
嘘になります。
話し手は何となく自分でも「前に話したような話していないような」という
半信半疑の状態になっているので、ここで「初めて」を装ってもさほど
効果はありません。
万が一話している最中に「やっぱり前に話したことあるわ」と思い出したら、
聞き手がとったリアクションがわざとらしくなります。
初めてっぽく食いついていた聞き手はこっ恥ずかしい状態です。
話し手がどういうスタンスで話すのかに合わせることが大切なのです。
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