発注から納品までの間の細かい報告が、クライアント(顧客)を
安心させます。
発注から納品までの期間が長くなればなるほど、
クライアントはその間の状況が気になるものです。
担当者本人だけが気にしているとは限りません。
担当者も上司から進捗を聞かれます。
上司も役員から報告を求められているかもしれません。
1.不安の払拭と状況の共有が目的
発注側であるクライアントが最も気にするのは、
「自分たちの依頼はイメージ通り進められているだろうか」
ということです。
分解すると、
①そもそも進められているのか
②進められているとして、それはイメージ通りか
の2つの要素で構成されます。
①は受注した以上当たり前のことですが、
意外とスタート自体が遅れている場合もあります。
受注側の担当者が”寝かせている”こともあります。
発注してから2日も3日も何の動きもないと知れば、
クライアントは不安を通り越して怒りの感情を抱きます。
クライアントには、まずは「そもそも着手した」ことを伝えます。
受注直後に「着手しました!」という表現で報告するのは
あまりにも芸がありません。
一方的な「僕頑張ってます!」感が出すぎです。
代わりに、具体的な行動内容をサラッと伝えるようにします。
たとえば、「ご依頼の資料は弊社○○部にて確認中です」とか
「スケジュール表を作成中ですので、明日にはお送り致します」
といった感じです。
短いメールで充分です。
何から始まったのかがわかることで、クライアントは進捗イメージを
抱きやすくなります。
同時に安心します。
依頼が進んでいること自体がわかると、次にどのように進んでいるかが
気になり出します。
「進めてくれているのはありがたいが、イメージと全然違う方向だと困る」
と感じるようになります。
より具体的なイメージ共有を図るために、適宜報告機会を設けます。
恐ろしく詳細な長文報告メールを送る必要はありません。
「今こんな状態です」というのがわかる程度で充分です。
仮に1つの作業に時間がかかっている場合、適宜報告しておけば
「ああ、こういう事情で時間がかかっているのか」ということが
わかります。
ただ単に遊んでいて時間がかかっているわけではない、
ということを伝える役割も果たします。
クライアントのイメージとの間に齟齬があっても、
状況を適宜報告しておくことで気づきやすくなります。
報告している間に、新たな要望が出たり、組合せのアイデアが
生まれる場合もあります。
そんな時は臨機応変に対応してあげれば、相手も喜びます。
2.ブラックボックスを減らす=信用を得る
クライアントとしては、「発注したはいいが何をしているのかわからない」
という気持ちが芽生え始めると、相手を信用したくなくなります。
何をしているのかわからない状態は、ブラックボックスです。
一定期間がたって、「ハイ出ました」といきなり納品物を見せられても、
「いや~、思ってたものとちゃうで」と言われてしまっては
目も当てられません。
時間がかかった分、クライアントは余計に怒ってしまいます。
発注側から「どうなってますか?」と聞かれることは
極力避けたいことです。
「どうなってますか?」と聞いてくるということは、
信用度が落ちてきている証拠です。
その事態を避けるために、こまめな報告が必要になるのです。
3.報告の頻度はどうするか
綺麗事を抜きにして申し上げると、こまめな報告は正直大変です。
状況を正確に把握して文章にして送るのに、時間もとられます。
ですが、自分が逆の立場なら、逐一現状がわかっていると
安心してプロジェクトに臨めるはずです。
報告の頻度はどのくらいが望ましいのでしょうか。
理想は、1つのタスクにつき1回の報告です。
プロジェクトが大型で複雑になるほど、内包されるタスクは
増えていきます。
そのタスク完了ごとに報告するのが理想です。
「弊社○○部の確認がとれましたので、次は申請書の作成にかかります」
「△△社からの資料UPが遅れているようですので、原因を追及しています」
といった感じです。
短い文章でのサラッとしたメールなら、クライアントも
「いちいちうぜぇんだよ、ブハーッ」と怒ることはありません。
とはいえ、現実的に1タスクごとに1報告メールは厳しい場合もありますので、
時には合体してもいいと思います。
「弊社○○部の確認がとれ、申請書の作成が完了しました。
現在△△社と折衝中です」を1通にするといった感じです。
1タスク1報告にしろ、合体技にしろ、報告頻度と信用度が比例することは
間違いありません。
信用度が上がるにつれて、「それならあなたに任せておいても大丈夫」という
安心のお言葉も聞けるようになってきます。
合体する場合は、どのくらいのタスクを合体させるかという自分なりの
さじ加減もわかってきます。
ちなみに報告する際には、マイナスの内容も報告しましょう。
トラブルになりそうな火種は、つい黙っておいてしまいがちです。
悪いことの報告こそ、早めに共有しておくと解決も早まります。
「なんであの時言ってくれなかったんだ」となると、余計に炎上します。
いいことも悪いことも適宜共有することが、互いの信用を深めるのです。
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