2015-12-04

営業と内勤の部門間対立が悩ましい時 互いに理解を深める方法

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営業部門と社内部門(内勤)は対立します。
いつの世も、対立します。

考えてみれば自然のなりゆきですが、
それぞれ立ち位置が違うからです。
軸足を置いている先が違うのです。

営業マンの基本スタンスは、「クライアント(顧客)の
言うことは絶対」です。

最近は変わりつつあるようですが、「お客様は神様」という
信奉心が根底に流れています。
必然的に、内勤スタッフに対して「クライアントの言うことに
従って当たり前」という感覚を持つようになります。

一方、内勤スタッフは、「基本的には自分たちの信念が第一」
だと考えます。

「クライアントの言うこともわかるけど、まずは自分たちが
考える方向性で」という感覚です。
営業からの要請が過激化してくると、「そんな無茶言うなよ」
と思います。

ひと口に内勤と言っても部門は様々です。
企画や製作(制作)といった商品開発に直結する部門から、
総務や経理といった日常業務を支えてくれる部署まで、
色々あります。

営業の優先順位は、クライアント>自社です。
内勤の優先順位は、自社>クライアントです。

もちろん、互いに歩み寄って譲歩する場面も多々あります。
ですが綺麗事を抜きにすると、基本スタンスは真逆なのです。
そりゃあ、対立するのも当たり前です。

 

1.互いの立場をまずは頭で理解する

”営業会社”という表現があります。
営業部が会社を支えている中心、営業部でもっている会社、
という意味合いです。

営業部隊の発言権が強く、実際に営業部の人たちはバリバリ
仕事をとってきます。
確かに売上数字上は伸びているかもしれません。
でもそのような会社は、どこかギスギスしているはずです。

本当に強い会社は、営業部隊と内勤部隊がガッチリ結束している
会社です。
ガッチリ結束していると、クライアントにとって本当にためになる
ことを見る余裕ができます。
人間関係のストレスも相当薄いはずです。
競合他社にとって、これほどの脅威はありません。
結果、利益が上がります。

営業マンにとっては、売るものがなければ利益はつくれません。
内勤スタッフにとっては、売ってくれる人がいなければ給料は
出ません。

営業がものをつくって内勤が売るという逆の行為も物理的には
可能ですが、それでは特化部隊に身を置いている意味が
ありません。

営業マンは専門職ではないので、ものをつくるセンスは
内勤スタッフにかないません。

内勤スタッフは、第一線でクライアントと接している営業マンの
「微妙なニュアンスを嗅ぎ分ける能力」にはかないません。

お互いの強みと弱み、置かれた立場をまずは頭で理解する
ことから結束づくりは始まります。

お互いの存在に感謝してこそ、業務は円滑に進むのです。

 

2.互いの立場を実際に体で理解する

お互いの特性を頭で理解できたら、次の段階として
それぞれの仕事現場を実際に自分の目で見てみることを
オススメします。

営業マンは、たとえば製作(制作)スタッフが実際に
どのような作業をしているのかを自分の目で確かめるのです。

広告の世界で言うと、グラフィックデザイナーがMacで
デザインする過程を横で見学します。
あるいは、CMの制作スタッフが美術セットを建て込みしている
ところを見学します。
自社の内勤スタッフと社外の協力会社スタッフが会議している
ところに参加するという方法もあります。

ひとつのものをつくるのに、どういう熱い思いが込められていて、
どれだけ大変かということを自らの肌で体感するのです。
頭ではイメージできていても、実際に自分の目で見て
直接話を聞くと、感じる価値も変わってくるはずです。

私もサラリーマン時代に各スタッフの仕事ぶりを生で見た時、
かなりの衝撃を受けました。
「こんなに大変だったのか」と。
「こんなに熱い思いで携わってくれていたのか」と。

提案商品ができあがるまでの本当の苦労を知れば、
クライアントに対して正当な料金を堂々と主張できます。
値段に対する裏づけを自ら体感したからです。
説得力が違います
よくわからないムダな値下げ要請も、きっぱり断れます。

もちろん、広告業界や製作(制作)スタッフに限った話では
ありません。

たとえば経理の人たちが、売上伝票を管理・入力して
税務署対応するのがどれほど大変なのか。
総務の人たちが全員分の出張費を漏れなく配当する作業に
どれほどの手間がかかっているのか。

「クライアントが言ってるから従って」と機械的に依頼しにくく
なるはずです。
無根拠の値引き要請も出しにくくなるはずです。

 

一方、内勤スタッフ側も、営業がクライアントの代理であるという
ことの意味を、きっちり理解する必要があります。

営業は何も、内勤スタッフをいじめたくて無茶を言っているのでは
ありません。
クライアントの依頼を完遂する=自社の利益になる、ということを
真っ先に理解しているのが営業です。
お金をいただくということの意味を真っ先に理解している
とも言い換えられます。

お金にならなくても、自分の嗜好とは違うものをつくらざるを得ない
状況でも、「プロ」として臨むのです。

最終決定権はしっかり営業に預けます。
ビジネスのスキーム上、最終的には誰かが決定を下さないと
いけません。
その決定権を営業に気持ちよく預けましょう。

内勤スタッフの人たちにも、営業現場をひとつでも多く見学する
ことをオススメします。
通常の打合せやプレゼンの場以外で、です。

営業が普段クライアントに対してどのように立ち回っているのか、
どんな怒られ方をしているのか、などを目の当たりにすると、
少しでもいいものを1日でも早く納めようという意欲が
わいてくるはずです。

 

3.社内バランスのコーディネートは営業の役割

営業部門と内勤部門の両者満足をバランスよくコーディネート
するのは、営業マンの役割です。

クライアントはお金製造機ではありません。
内勤スタッフは製造ロボットではありません。

営業マンは、権限を与えられているからといって
ふんぞり返っている場合ではありません。
最終的に○か×か△かを決められる分、その責任ごと
背負う覚悟を持ちます。

内勤スタッフに「いかに気持ちよく仕事してもらうか」を
考えるのがとても大切です。
その代わり、実際に現場を見て”本気度”が足りないようなら、
遠慮なく指摘します。

プロの自覚がない内勤スタッフはプロジェクトに必要ありません。
自覚なくできあがった商品をクライアントに提案する価値はありません。

互いの仕事現場を見学する機会は、営業マンが積極的に設けたい
ところです。

直接見られるのは嫌がられるかもしれません。
お互いのためなので、無理やりにでも「そちらを見せてください」
「こちらをお見せしましょう」というやり取りを増やしましょう。

必ず得るものがあるはずです。

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