せっかくいい雰囲気で話が進んでいるのに、最後の最後で
好感度を下げてしまう人がいます。
たとえば電話。
電話の切り際は、最も気が緩んでしまう瞬間です。
気が緩むということは、油断してしまうということです。
油断してしまうということは、素が出やすいということです。
悪気はないのに、ついやらかしてしまうと、非常にもったいないです。
好感度を上げる行動をとることも大切ですが、好感度が下がるNG行為を避ける
ということも同じくらい大切です。
一気に嫌われることはないものの、うっかり積み重ねると
「感じの悪さ」が蓄積されていくダメダメ例を2つ挙げてみます。
1.切る直前に、別の誰かとしゃべる
電話を切るまさしくその直前に、周りの人から話しかけられる時があります。
いきなり用件を切り出される場合もあれば、ひとまず名前を呼びかけられる
場合もあります。
話しかけた方は、こちらが電話中であることに気づいていない時と
気づいている時と両方あります。
気づいていない場合は仕方ないですが、気づいている場合は確信犯です。
ここで、電話を切る前に話しかけや呼びかけに応じる人がいます。
ついうっかり応じた声は、通話相手に聞こえています。
「その件は・・・」とか「はいっ」という声は、全部聞こえています。
通話のやり取りが終わって送話口(携帯電話のマイク部分)が口から離れた
からといって、油断はできません。
「切る」ボタンを押して(タップして)通話状態が完全に途切れるまでは、
相手にはうっすら聞こえています。
ボリュームが下がったとしてもです。
脈絡のない「その件は・・・」とか「はいっ」が聞こえてきた通話相手は、
どう思うでしょうか。
「電話がまだ完全に終わっていないのに、この人は誰か別の人と
しゃべっている」と気づきます。
「話しかけてきた人の方に今顔を向けた」というシーンまで
想像できてしまいます。
何となく、自分が置き去りにされている感覚に陥らないでしょうか。
少し寂しく感じないでしょうか。
完全に通話が終了するまでは、その相手に集中するのが礼儀です。
切る直前に呼びかけに応じることは、現在進行形で応対している相手を
大切にしていない証拠と言わざるを得ません。
話しかけてきた人がたとえ上司でも、電話中は無視しましょう。
「お前なんで無視すんねん」と怒るのは、お門違いです。
その電話内容を補足するような場合を除いて、電話中に話しかける行為は、
通話相手を無視したマナー違反です。
もしくは「電話中です」というジェスチャーで、今はしゃべれないことを
伝えましょう。
2.自分のタイミングでブチッと切る
電話を切るタイミングを、自分で決める人がいます。
「自分さえしゃべり終わったら、いつブチッと切ってもいいや」
という考え方の人です。
相手がまだ話したり聞いたりする態勢でいても、おかまいなしです。
相手が「失礼します」と言おうとしているのに、「失礼し」ぐらいで
ブチッと切ってしまいます。
これがクライアント(顧客)相手なら、最悪の状態です。
使用している電話機が固定電話でガチャンと切ったなら、さらに最悪です。
相手はまだしゃべってるわ、けたたましい「ガチャン!」という音が
ダイレクトに伝わるわ、もう目も当てられない状態です。
確実に感じの悪さを残します。
電話を切るタイミングは、相手に合わせるようにします。
相手が完全に切ってから、もしくは切ることが確実にわかってから、
こちらが初めて切るアクションに入るのが賢明です。
もし相手が固定電話でガチャンと切るタイプなら、「ガチャン!」の直前に
受話器を耳から遠ざけて、自分の耳を守ります。
そこまでしてでも、相手からの“切り待ち”にする方がいいと私は思います。
こちらのタイミングで勝手に電話を切ってしまうと、前述の「別の誰かとしゃべる」
行為と同様、相手は「自分が軽く見られている」と感じてしまいます。
仮に感じよく話が進んでいても、一発で好感度を下げてしまいます。
もしかしたら、貴重な話を展開してくれようとしていたかもしれません。
最後の最後のコンマ何秒間かで、大切な話を思い出していたかもしれません。
わざわざ自分のタイミングで電話を切ることは、好感度のみならず
チャンスの芽をもつぶしてしまう危険性があるのです。
挙げた2つの例はほんの小さなことですが、用件終了後の余韻部分にこそ、
人間性は露呈してしまうものなのです。
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