2015-11-05

1行の親切 パーソナルブランディングにつながるメール署名活用術

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メールの署名は、格好のアピールスペースだと考えている人がいます。
半分正解で、半分間違いです。

メールは仕事のやり取りにおける最重要コミュニケーションツールの
1つですが、その分デリケートさも多分に含んでいます。
文末につける署名も例外ではありません。

 

ひと口に署名と言っても、ただ機械的に貼りつければいいというものではないと
私は思います。

状況によって使い分けていくのが大切なので、”そもそも論”を皮切りに、
簡単に整理してみましょう。

※本題は6.以降ですので、お時間がない方は6.からどうぞ(笑)

 

1.そもそも署名の設定は必要なのか

必要です。
署名を「あえてメールに入れない」時はあっても、それは署名を「設定していない」
こととは違います。

サラリーマン時代に「全てのメールに署名を入れない」主義の先輩が
いましたので、理由を尋ねてみました。
「だって、署名入れると(画面が)汚くなるやん。グフフ」だそうです。
聞き間違えたかと思いました。
署名は、入れるかどうかを自分のために決めるものではありません

 

2.署名を入れる目的

送信者の情報を示すためです。

署名の基本的な要素は、
氏名・会社名・会社住所・部署名・電話番号・FAX番号・携帯番号・メールアドレス・会社HPのURL
といったところでしょうか。
全て送信者に関する情報です。
”メール上の名刺”などと呼ばれたりもしますよね。
名前の読み方が難しい人は、ローマ字を追記したりもします。

メールを受け取った相手に、「それを見れば一目瞭然」の状態
なってもらうためですね。

あるいは、メールを受け取った人が誰かに転送する時にも役立ちます。
紙の名刺と同等の情報が詰まっているので、「この人が担当者です」と
紹介したりする場合に威力を発揮します。

 

3.署名を入れない方がいい時

基本的な名刺要素を満たそうとすると、署名は数行分を使います。
メールのラリーが続く場面では、署名が何回も入ると
ダラーッとスペースを食ってしまいます。
それではかえって見にくくなるので、途中からは外した方が親切です。

ちゃんと署名を設定しているにもかかわらず、
初回メールから「苗字のみ」を文末に書く人がたまにいますが、
それは横着感満載です。
画面が”汚く”なってもかまいませんので、初回は署名入りにしましょう。

ただし、送信相手によって臨機応変に変えていのが現実的です。

 

4.署名を入れる相手と入れない相手

基準は3つです。

①クライアント(顧客)かどうか
②社内の人やそれに近しい立場の人(協力会社など)かどうか
③②のうち、目上の立場の人かどうか 

クライアントに自分から送る1通目のメールには、入れておくのがマナーです。

2通目以降(のラリー)では、その送信相手のスタンスに合わせます。
毎回毎回署名を入れるスタンスの相手であれば、
こちらも毎回毎回署名入りで返します
この場合はダラーッとなってもかまいません。
署名を入れないスタンスの相手であれば、こちらも外します。

一方、社内の人やそれに近しい立場の人(協力会社など)に対しては、
必ずしも署名を入れなくても問題ありません。
たとえ1通目であってもです。
なぜなら、送信者の情報を把握している可能性が高い、
もしくは把握する必要性がないからです。

ちなみに社内の人や近しい人でも、相手が目上の立場であれば
初回は署名入りが無難です。

いずれにしても、署名の「相手に対しての役割」を意識しておくことです。

 

5.フォーマットの注意点

署名のフォーマットは、統一している会社の方が少ないのではないでしょうか。
私のサラリーマン時代も、私含め周りの人はみんな個人で設定(作成)していました。

シンプルに-----で挟む人もいれば、☆をふんだんに使う人もいます。
装飾は正直どっちでもいいです(笑)

ただし、使用状況をシミュレーションすることは大切です。

たとえば、訃報を伝えるメールの文末が、
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪で囲まれた署名だったらどんな印象を与えるでしょうか。

謝罪のメールで、署名が(*^^*)←こんな顔だらけだったら
誠意はちゃんと伝わるでしょうか。

装飾は個人の自由でいいというのが私の考えですが、
送信後にもたらす影響は事前に想像しましょう。

場合によっては、署名を複数パターン作成しておくのも手です。
通常パターン・簡略化パターン・装飾地味パターン、といった感じです。

最初から簡略化パターン(氏名と携帯番号のみなど)しか設定していない人も
見受けますが、それはそもそもの署名の意味をなしていません
名刺になりきれていません。
確かにシュッとしていてカッコイイですけどね。。。

 

・・・と、ここまでが署名の基本的な役割です。
ここからが、(やっと)本題です。
前置きが長くなってすみません(笑)

 

6.メールの署名に入れてはいけない例

送信者の情報を伝えるという、相手のための署名欄。
ですが、ただ機械的に貼るだけではもったいないです。
せっかくなので、有効に活用できないか考えてみましょう。

まずはNG例から。

 

①商品やキャンペーンの告知をこれでもかというほど盛り込む

たまに、自社の商品や実施中(もしくは実施予定)のキャンペーン情報を
ふんだんに入れ込んだ署名を見かけます。

ハッキリ言って、ほとんど読まれません
なぜなら、人は売込みの気配を察知すると途端に身構えるからです。
逆に自分がメールを受け取る立場なら、長々と書かれた商品情報を
丹念にチェックするでしょうか。

百歩譲って、心惹かれるコピーが1文書かれているのはいいですが、
基本的にセールススペースとしての活用には適していません。
不親切に加えて、逆効果です。

 

②限りなく個人的な見解を書く

時候のあいさつが書かれている署名欄を見たことがあります。
「葉も赤く色づき始めた今日この頃~」とか、ああいう系のやつです。

平たく言うと、どうでもいいです。
署名欄はポエム欄ではありません。
「そうだよなあ、四季の移ろいを感じる時期だよなあ。
あ、紅葉見にいかなくちゃ」とはなりません。

似たような例で、相手の体調を気遣うバージョンもあります。
「風邪など引いておられませんでしょうか」系のやつです。

何かわざとらしいです。
署名欄で体調を聞かれて、「あ、まだ平熱ですよ」とは答えません。
体調は本文で聞きましょう。

 

7.パーソナルブランディングとして活用する

ではどうするか。

私は、1行でサラッと有意義な補足情報を入れるのがいいと思います。

よくあるのが、「部署変わりました」というパターンですね。
部署名を知りたい時やアナウンスが行き届いていない時は大変助かります。

サラリーマン時代にいいなあと思ったのは、
メールアドレスのそばに「外からでも見れます」
書かれていた署名です。

各社のインフラ状況によって異なりますが、
「会社アドレスにメールを送ると、社内でしか見れないのではないか」と
思い込まれているケースがあります。

社内オンリーの前提でいる人にとっては、「いつでも見れますから安心してね」
という1行が入っているのといないのとでは、雲泥の差です。
「会社にいる時間を見計らって・・・」とか、余計な想定をせずに済みます。
たったこれだけで、相手の精神的負担が軽減されるのです。

他にも、定休日と営業時間を足しただけでお客様からの問合せが増えた
という例を聞いたことがあります。
「日曜日は休みだと思っていたけど、営業してるんだ」とか
「あ、この時間でもまだ電話つながりそう」という反応を引き出したんですね。
アナウンスがなければ、お客様は勘違いしたままだったということです。

いずれの例にも共通しているのは、
相手にとって役に立つ情報をサラッと入れておくということです。
「へえ~、そうだったんだ」と思ってもらう情報です。

あくまでサラッと1行で、というのがスペースも食わず、オシャレです。
もしかしたらその1行が、クライアントの悩みを一発で
解決してしまうかもしれません。
見込み顧客をつなぐクモの糸になるかもしれません。

 

この”1行の親切”は、メールを受け取る相手の気持ちを先回りして想像しています。
そのひと手間がやがて、パーソナルブランディングにつながっていくのです。

署名欄がアピールスペースになり得ることは間違いありません。
しかし、商品PRとは対極の概念を持つことが大切です。
冒頭の「半分正解で、半分間違い」とは、そういう意味です。

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